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Café de EAS 若手アーティスト

若手アーティストを取り巻く問題

田中:若いアーティストにとって、出展はとても厳しい状況です。
まず、貸しギャラリーが高い。以前、美大の後援もある展示会を有志で企画したのですが、その時も金銭的な負担は大きかったです。アメリカでは現代アートへの理解もあり、日本よりも活動しやすいと聞きます。設備一つとっても、学校にいれば用途に合った機械が常備してあるため簡単に作業が済んでしまうものも、卒業すると設備不足が作業に影響します。アーティストにとって社会の理解が不可欠だし『制作環境』はとても大切です。
田所:私は卒業後イラストレーターとして仕事をしていますが、社会人になってつくづく感じるのは制作時間がないこと。
それに加え、好きな仕事に就いても当然自分の思うような作品を作れない。息詰まることもあります。そういう問題を抱えながら社会人生活を送っています。
斎藤:現在の日本では音楽も美術も共通して、アーティストの経済的自立はなかなか難しいですね。
田中:はい、ですから作品を出展できる機会を提供しているEASはとても貴重な存在だと感じています。

斎藤:ええ、私も表現する場がとても大切と考えています。今日世界も日本も人々はアーティストが考えている以上に作品や音楽を求めていると思うんです。“こうあらなければ人々に芸術として受け入れてもらえない、求められない”と固定観念を持っているのは実はアーティストの方で、必要としてくれているところは実は多くあり、求めているところに(人)に届けばそれでいい。万人に受け入れられることは極めて難しいし、その必要はないかな、と。適材適所とでもいいましょうか、今出来ることを出来る人たちが精いっぱい取り組めば、変らなかったところに変化が訪れるでしょ?変化をもたらすのってアーティストが得意なことだから。私はそう捉えて活動しています。
乙竹:私が考える「社会が変わるきっかけ」は、アーティストだけではなく日本人が日本の美術にもっと触れることだと思います。例えば小学校の美術の時間、ミロのビーナスやヨーロッパの名画の写真を見せられたけど、日本の仏像や葛飾北斎の絵はそれほど記憶にない。海外に行って名画を鑑賞する日本人は多いけれど、北斎を美術館に見に行く人がどれだけいるか。何事も土台が大切。だから海外のものばかりに注目しないで、国内の素晴らしい古典美術に目を向けたとき、日本人としての感性も養われ『アートがわからない』なんていう表現はなくなると思います。

アーティストによるアートを感じるためのアドバイス

斎藤:なるほど。よく『現代アートは難しい、分からない』なんて言葉を耳にしますが、そういうことが足りないのかもしれませんね。
他にアドバイスはありますか?
田所:日常の風景を観察してみるのって大切だと思います。
自分なりに、なぜ?どうして?という思いを掘り下げる習慣になると思うし、そうしていると“なせこの制作者はこのように表現したんだろう”と興味を抱くようになるのではないでしょうか?
乙竹:そうそう、自分なりに解釈を掘り下げるのは重要ですね。
例えば仏像。イラストレーター他多ジャンルを超え活躍をされている‘みうらじゅん’さんは仏像を観て『この仏像セクシー』なんて表現をします。セクシーな仏像・・・興味湧きますよね?
自分なりの見方で楽しみ方を見つけるとアートが楽しくなると思います。
田中:あとは、アクションかな!現代アートって直観的なものだと思うんですよ。“面白いな”と思って作品に触ってみると感じるものが大きいのではないでしょうか。
六本木の森美術館で開催されていた“六本木クロッシング”なんて楽しかったです。

これからの私たち

斎藤:共感です。音楽もアートも、例え関心がない人だって無感動なことはないと思います。“わからない、難しい”と放棄せず、“キレイだな、意外と面白いな”だけでもいいし、“分かろう”とせず自分なりの楽しみのポイントを探してみてほしいですね。
では最後に今後どのような活動をしていきたいかお一人ずつお願いできますか?
田所:病院の壁に絵を描くボランティア活動・スマイルバトン・プロジェクトにも大変興味を持っています。他には例えばミュージックビデオのような映像作品にも取り組んでみたいし、とにかく出来るところからどんどん取り組みたいですね。
村野:主にデザイン活動。今はデザインフェスタの準備に忙しいので集中していますが、ファッション関係は好きなので、ファッション寄りのことをやりたいと思っています。
乙竹:私の場合、描く事は食事をするのと一緒。私にとって普通のことなんです。食事をするのに、意気込んだり気合いを入れたり・・ってないですよね?自然なことだから。だから絵を描くことに対しても“こういうことをしよう!”と思わず自然体でいたい。描きたいときに描く。そう続けていくのが理想です。
田中:やっぱり映画が作りたい、面白い映画に携わりたいと思います。
ただ、作りたいものだけを作るのではなく、私の作品を通じて国や人々の交流の手段となることができたらと思いがあります。
私が見てきたのも・育つ上で取り巻いてきたのも(沁みついた環境や文化)によって私の作品があるわけで、それを表現することで世界中の人々に日本を知ってもらい、さらには優しさや助け合いを引き出すきっかけとなるような作品を作っていきたい、と思います。
斎藤:皆さんのアートへの思い、インスピレーションの源、そしてこれからの可能性を垣間見れたように思います。今日はどうもありがとうございました。

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