
当団体の活動にご協力・ご支援くださり、ご活躍されている素敵なゲストとの対談コーナー。
毎回素敵な方をご紹介していきます。

流麗かつ繊細に、ときに力強く美しい小亜希さんの舞を拝見したのは今年の四月。
祇園甲部の歌舞練場にて「都をどり」を堪能、その美しさに魅了されました。
祇園甲部の芸妓さんといえば、京都の花街といわれる五花街の花形。小亜希さんはその中でも人気・実力共にトップクラス。まさに京を代表する伝統芸能の賜物といっても過言ではありません。
今月は、和のアーティストとしてお力添え頂いている小亜希さんより芸妓の世界やボランティアへの思いをお話頂きます。

斎藤:今日はとても素敵な着物でご登場くださり感激です。まるで映画のワンシーンのよう!後ろの橋は京都の名所「たつみばし」ですが着物姿の小亜希さんとピッタリ合って、高層ビルが立ち並び時間の流れが速い東京から来た私はその風情に少々戸惑い、ため息が出るほど。日本の伝統文化は美しいですね。ピンクがまたお似合いです。
小亜希:おおきに。私ねぇ、ピンクが大好きなんですよ。柄違いのピンクを沢山持っていて。この着物は小紋、帯は柳に新緑です。
やっぱりその季節の着物を着ますね、贅沢ですけど。着物は私らにとって日常着でもあり衣装でもある消耗品。置屋さんに奉公中は全部お世話になるので、着物も支給してくれはるんです。だから先輩のお姐さんが代々着てはったものをお借りするんですけど、自前になると一から自分で揃えます。最初の頃は引退しはったお姐さんや、年代によって柄いきが派手になってしまった着物を譲って頂くこともあり随分助かっていましね。譲り受けるのは物だけではなく、礼儀もそう。縦社会ということもあり、特におじぎや挨拶に関しては徹底して叩き込まれました。
斎藤:沢山のものを先輩から受け継いでいくんですね。私の京都のイメージは温故知新。街も着物ひとつ採っても、受け継ぐ中にまた新たな進化を感じることができ、そうして独特の美しい文化を生み出していくんですね。ところで、お化粧や髪はどうされているのですか?
小亜希:今日の「そんなり」という着物の時は、髪の毛はセットしていただき、普通のファンデーションのお化粧どす。夜のお座敷行く時の白塗りは、お白粉(おしろい)は自分で20~30分で塗り、かつらも自分で下地をしてかぶります。
お引きずりの衣装は、男衆さん(おとこしさん)という男性の着付師の方に5~6分で着せていただきます。
白塗りのお白粉は、歌舞伎役者さんと同じ舞台用のねりおしろいで、まず下地にびん付油を塗り、お白粉を水で溶き、刷毛で塗ってパフでのばしていきます。これらは全て自分での作業なんですよ。毎日の事どすし、支度時間は50分程あれば十分どす。
小亜希:そうそう、これ見たことないですよね。これは千社札。芸妓はん舞妓はんのお名刺どす。定期的に500枚程お願いするんでけど、このサイズはお座敷で撮ったポラロイド写真に貼れて結構重宝なんですよ。
斎藤:なるほど、とっても可愛いお名刺ですね。
そういえば、お話をしていてその独特の奇麗な京言葉、聞き入ってしまいます。私も父が京都出身ですので京都弁には慣れているのですが、また少し違った気がします。
小亜希:あ、そうどすね。これは、“郭(くるわ)言葉”とか“花街言葉”といって、花柳界独特の言葉遣いなんどす。暮らしの中に根付いた京都言葉とは少し違います。
斎藤:では花柳界に入られて話されるようになったんですね!
いつごろから、どんなきっかけで花柳界にお入りになったのですか?
小亜希:きっかけは、中学生の時にテレビや本で舞妓さんを見て、憧れて。元々、実家が神戸やったんで宝塚歌劇は好きやし、クラシックバレエを習っていたので芸事は好きで。中学3年生の時に、今の祇園甲部組合の事務所で置屋さんを紹介してもらいました。