ホーム > インタビュー > バックナンバー Vol.07

Café de EAS 中島章博さん

根本を考えさせる教育で想像力を培った中高時代

中島:音楽教育に関しては小4~中学までブランクもありましたが、そうかもしれません。それから、中学高校が少々変わった面白い教育方針を持つ私立武蔵という学校で、その影響もあるかと思います。例えば入試(理科)は封筒が配られ、中に2種類のネジが入っていて「Q.これを見て思う事を書きなさい」という観察問題。算数は計算問題なんて無かったし、考えて自由に記述させる余白の多い問題ばかり。とにかく自分で考えさせたり想像させたり根本に迫ったり…というところを大切にしていましたね。それも今の音楽に繋がっているとは思います。
中高時代は学校のブラスバンドでフルートをやっていたのですが、先生が介入してこなくて選曲も自由にできるので、ゲームミュージックを選んじゃったりするんですよ。でもそうすると勿論譜面なんて無いから誰かが書かなきゃいけなくなる訳ですよね。
斎藤:ゲームミュージックを譜面に起こす?!例えば?

ドラクエ、ファイナルファンタジーからオーケストラの道へ

中島:“すぎやまこういち”さんとか…ドラクエのね。中1の頃かな、ちょうどパソコンで音楽が作れるソフト(今でいうDTM=デスクトップミュージック)が家にあって、それを使ってパソコン上で編曲していました。学校にある楽器、リコーダー・ピアノ・キーボード・木琴・鉄琴・トライアングルという編成でファイナルファンタジーのメドレーを作ったのが最初です。
斎藤:中1でファイナルファンタジーの編曲とは!さぞ先生は驚かれたでしょうね。
中島:驚いたかもしれないですね。だから誰かに習い勉強をしたというのは殆ど無くて、実践の中で自然と学んだのが僕の音楽教育ですね。で、フルートは高校の頃あまり触らず、パーカッションにのめり込んだり、作曲や編曲や指揮ばかりやっていました。結局編曲は高校までに10曲ぐらいブラスバンドの曲をやったかな。
でも男子校だし中高一貫で人数が少なかったからブラスバンドも20~30人ぐらいしかいなかったので、ブラスで鳴る音はオーケストラやブラスサウンドのように鳴ってくれない。しかもオーケストレーションなんてはじめは全然知らなかったから、ボリュームも出ないし、膨らみが無く音がチープで、衝撃でした。こんなの聴かせられない!なんで?どうすれば…というのが僕のスタートラインです。
楽器の音域表を見て必死にやっても、どの楽器も音域が違うと出る音も違うし全然想像と違ったんですよね。和音を各楽器に振り分ける際もあれこれ。完全にオーケストレーションの勉強です。オーケストラの楽譜も見たことないのに、自分の耳で聞いて試行錯誤。最後に編曲した数曲は想像した音が鳴るようになってきましたけどね。
そんなことをずっとやっていても音楽家になろうとは思っていなくて、ただ面白くてやっていましたね。
斎藤:つまり中高時代はずっとブラスバンドの指揮や編曲をなさっていらしたんですね。ではブラスからオーケストラへと移られたのはいつだったのでしょうか?
中島:大学に入り早稲田のオケに入ったのがきっかけです。そこでフルートをやっていたのですが、大学っていうのはやけに上手い人がいるんですよ。これまで井の中の蛙、お山の大将だったのが、何だこれは?! 僕が吹いていたのはフルートじゃないじゃないか!と気づいて。だから先生に習い、最初の数ヶ月はフルートの頭部管でしかほとんど音を出さず本格的に基礎からやりました。
身近にオケにふれるようになったのは大学に入ってからですね。ブラスバンドで色々なジャンルの音楽に触れていましたが、クラシックに親しんだは本当に最近です。
斎藤:そうですか、所謂“ゲーム音楽好きな男の子”がどういう経緯でクラシックの世界に入られたのでしょうか?

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